おび内科・漢方クリニック

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漢方Q&A

Q1.漢方薬はいつ頃からあったのでしょうか?
A1.漢方の医学書が紀元200年ごろに中国で編纂されたという記録が残っています。日本には紀元500年ごろに伝わったとされていますので、奈良時代には漢方治療が行われています。
漢方の「漢」とは「中国」を意味します。したがって、漢方とは中国の治療方法という意味です。その後、漢方医学は日本と中国でそれぞれ独自の発展をとげたため、現在では中国漢方を中医学(ちゅういがく)とよび、日本漢方と区別して呼びます。近頃、耳にする「和漢(わかん)」の意味は、日本=大和で発展した漢方という意味です。

Q2.漢方薬にはどういった種類のものがあるのですか?
A2.漢方薬の種類はエキス製剤とよばれる顆粒剤と、煎じ薬とよばれるものに大別されます。煎じ薬とは薬草の根や葉などを乾燥して小さく刻んだものを煮出してのむ漢方薬のことです。エキス製剤とは近年の医薬品製造技術の進歩により製造されるようになったもので、工場で大量に煎じ薬を作ってから水分だけを除去し、煎じ薬の薬効成分だけを顆粒状にしてパッケージに詰めたものです。製法の原理はインスタントコーヒーと同じですので、エキス製剤と煎じ薬の違いは自宅で手軽に入れられるインスタントコーヒーと、コーヒー専門店で豆を挽いてから入れるコーヒーの違いと思ってください。

Q3.どういうときに漢方治療をうければいいのでしょうか?
A3.基本的にからだの不調があれば、まず西洋医学的な診断を受けることをお勧めします。その上で、①西洋医学では治療方法がない(冷え症や虚弱体質など)、②西洋医学的治療の副作用が強くて治療できない(薬にアレルギーがあるなど)、③西洋医学的診断では異常が見つからないが体の不調がある(ふらつき、倦怠感、不妊症など)、④西洋医学的治療を長く続けているが改善しない(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、慢性下痢症など)といった場合には漢方治療を考えても良いと思います。

Q4.漢方薬はどういうふうに効果がでるのですか?
A4.患者さん一人一人の病状や体質に合う漢方薬を選ぶことから始まります。それが決まれば、風邪、便秘などは服用して1日から数日程度で効果を感じることができます。慢性の病気では漢方薬の服用を続けるうちに、体が楽になる、肌のはりが出てくる、食事が美味しいと感じるなどの変化とともに、数週間から数ヶ月かけて問題となった症状が改善していきます。このように、効果のあらわれ方に違いがあるのは、漢方薬は病気そのものを消し去るという治療ではなく、患者さんの持っている治癒力をサポートして回復を助けるという治療だからです。したがって、患者さん自身の治癒力が旺盛ならば効果も早く、治癒力が乏しければ効果もゆっくりとなります。
そのかわり、症状が完全に落ち着いたときには患者さんの治癒力が高まった状態ですから、漢方治療も卒業することができます。なんでも治るというものではありませんが、薬に頼るのではなく、「薬の力を借りて自分で治す」それが漢方治療です。西洋医学的治療では薬の効果に依存する部分が多いだけに、治療を中断すると再発することがあります。これは患者さん自身の治癒力を高める治療となっていないからです。「他力」の西洋医学に対し、「自助」が東洋医学の精神です。

Q5.漢方薬は急性の病気にも有効ですか?
A5.どちらかといえば慢性の病気に対する治療が中心ですが、風邪やインフルエンザウイルス、急性腸炎などは1日で改善することもあります。とくに風邪やインフルエンザに対しては麻黄湯や葛根湯がよく用いられます。治療のコツはとにかく早く服用することです。何となく喉が変かな?なんかぞくぞくするな?とおもったらすぐにエキス剤をお湯に溶かして服用してください。明らかな咳や鼻水がでてからでは効果が乏しくなります。漢方薬はウイルスそのものを除去する力はありません。自己治癒力を助けるだけです。したがって、体内でウイルスが増殖してしまってからでは遅いという事です。ウイルスが体に侵入した直後に治療を開始すれば有効です。火事と同じで、ボヤのうちに消し止めることが大切です。ボーボーと燃えてしまってからではなかなか鎮静化できません。

Q6.「薬局でもらう漢方薬の効能書きには、いろいろな病名や症状が書いてあります。私の症状と違うものまで書いてありますが、薬はあっているのでしょうか?」
A6.たとえば、風邪のときに服用することの多い葛根湯の効能書きをみると「感冒、鼻風邪、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん」と書いてあります。葛根湯は風邪薬と思われていますが、乳腺炎や神経痛の治療薬として使われることもあります。それはなぜでしょうか。理由のひとつに漢方薬の歴史の長さがあげられます。
たとえば、痛み止めとして有名なアスピリンの成分は約100年前に柳から分離精製されました。当時は鎮痛剤として使用されていましたが、現在では脳梗塞や心筋梗塞の予防薬として使われています。これは一つの医薬品が異なる病気に効果を持つ場合があることを示しています。
葛根湯は、はるか昔の2,000年前から薬として飲み続けられています。したがって、風邪薬として飲みつづけられるなかで、ほかの病気にも効果のあることが発見され、それが伝承されてきた結果、冒頭に記したように多様な効能が書かれているのです。ちなみに2000年前にかかれた医学書である傷寒論に葛根湯の効能は「太陽病、項背強ばること几几(きき)、汗無く悪風(おふう)するは葛根湯之を主(つかさど)る」と書かれています。簡単に訳すと「熱がでる状態で、首の後ろがこわばり、汗はかかず、風が当たると寒気がする場合は葛根湯を飲むとよい」となります。この状態は現代的にいえば、風邪やインフルエンザの初期の症状を示しています。それで葛根湯の効能を現代風に翻訳した結果、「風邪に葛根湯」というフレーズが生まれたのです。
アスピリンのような単一成分の薬ですら、多様な病気に効く可能性があることが証明されていますので、漢方薬のように数種類の生薬が混合されていればもっといろいろな病気に効果を持つ可能性があるのです。これは我々の祖先が何百年も長い時間をかけて発見してきた業績です。
したがって、漢方薬の効能書きをみると、ご自分とは関係のない症状や病気が書いてあることがありますが、歴史の中で発見されてきた効能が現代的に書かれているのだと理解してください。ついでに言うと、どうしても昔の言葉を現代的にうまく翻訳できず、病名とは言えないような表現で書いてあることもありますが気にしないでください。
漢方の専門家は古典の記述や生薬の効能を熟慮したうえで、ひとりひとりの患者さんに適合する漢方薬を処方しています。現代的な病名にとらわれることなく、処方された漢方薬を服用していただきたいと思います。

Q7.「漢方薬に副作用はありませんか?」
A7.漢方薬による副作用は、間質性肺炎(0.004%)、薬剤性肝障害(漢方薬による肝障害は全薬剤性肝障害の0.01~0.05%)、偽性アルドステロン症、などが知られています。定期的な診察、血液検査をおこなっていれば後遺症を残すような重大な副作用が生じる心配は、ほとんどありません。また、漢方薬を服用後1週間ぐらいはお腹の調子が変化することがあります。腸内細菌のバランスに個人差があるためです。多くの方はつづけて服用しているうちに回復します。ご不安な点があればご相談ください。

Q8.「いつも飲んでいる漢方薬と西洋薬を一緒にのんでもいいですか?」
A8.基本的に併用が問題になることはありません。ただし、服用時間をずらす、似たような効果がある場合は減量する、などの対応が必要な場合があります。複数のお薬を同時に飲んだ場合に効果がどう変化するのかを事前にすべて予測することは難しいことです。したがって、定期的な診察を受けて、症状を相談したうえで、内服薬の調整を受けていただくことが重要です。

Q9.「急な発熱、腹痛などで具合が悪い時に、普段から飲んでいる漢方薬をのんだほうがいいですか?」
A9.漢方治療の原則は「先急後緩、先補後瀉」といいます。急な症状があればそちらを先に治療し、慢性の緩やかな症状は後で治療しなさいという意味です。したがって、発熱や腹痛などの急性症状があるときは、慢性症状のために普段から飲んでいる漢方薬はお休みしてください。急性症状が治ってから、再開してください。ただし、急性症状があっても日常生活をいつもと同じように送れるレベルであれば、普段の漢方薬を併用継続しても問題になることはありません。